2008年08月08日
PXの8月の価格交渉が暗礁に
双方ともに採算割れで譲歩できず
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 わが国の大手石油精製企業と日本や台湾のTPA(テレフタル酸)メーカーとの間で進められているPXの8月の価格交渉が暗礁に乗り上げている。
 
 石油精製側は、当初打ち出した価格をその後に下方修正してTPA各社に受け入れを求めているが、TPA側はさらなる引き下げを強く要求して譲らず、このため早期決着の可能性はほとんどなくなっている。
 
 TPA向けのPXの価格は、毎月、月末に日本の石油精製企業と日本、台湾のTPAメーカーとが交渉して翌月分を先き決めしている。このシステムに沿って7月分はトン当たり1,625ドルとすることで双方が同意した。この7月の価格は6月を一気に185ドル上回るものだったため買い手側に強い不満が残り、8月分の交渉で買い手側が強硬な姿勢を取っているともいえる。

 現在、8月分の価格については、TPA企業側の多くが最近のスポット価格並みのトン当たり1,400ドル近辺まで引き下げるよう要求、それに対してリファイナリー側は1,500ドル台を確保したいとしてTPA企業側の要求を拒否していると伝えられる。

 双方ともこれ以上の譲歩は赤字幅をさらに拡大することになると強く主張し合っており、歩み寄る気配を見せていない。この状態が続くと、1ヵ月にわたって原料価格の決定を見ないまま事業を継続するという異常な事態になる。