2008年08月19日
「大学発ベンチャー」1,773社 経済効果大きい、経産省
バイオとIT分野に集中の傾向、素材・材料系構成比は11.4% 
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

 経産省は18日、07年度の「大学発ベンチャーに関する基礎調査」をまとめた。ベンチャーの設立状況や経営状況、課題などを整理し、今後の施策に反映させるのが目的。

 それによると、大学発ベンチャーの企業数は1,773社(都市圏864、地方圏909)で、2001度の597社(都市圏336、地方圏261)から約3倍増えた。

 経済効果についてアンケートしたところ、1社当たりの売上高は1億5,700万円で、市場規模は約2,784億円。雇用者数は約2万3,000人(推計)となった。これに他産業からの資材購入など、間接的な経済効果(2,327億円)を加えると、波及効果は約5,100億円にのぼることが分かった。
 
 事業分野の構成は、バイオ系がトップで全体の38.6%を占め、以下、ITソフトウェア30.3%、機械・装置17.1%、素材・材料11,4%、ITハードウェア10.9%、環境9.0%、教育3.9%、エネルギー3.3%の順となった。
 
 都道府県別にみてバイオ分野の比率が高いのは北海道、神奈川、愛知、兵庫。IT分野の比率が高いのは東京と福岡、また大阪、京都は素材・材料分野のベンチャーが多く全国平均を上回っている。
 
 大学発ベンチャー1,773社の創出母体となった大学は243校。都市部の大学だけでなく、地方の大学やこれまで少なかった女子大学が母体となったベンチャーの設立もみられるようになったという。

■大学別ベンチャー創出数(上位10大学)

【国立大学】
(1)東京大学   123
(2)大阪大学   78
(3)京都大学   66
(4)筑波大学   65
(5)東北大学   56
(6)九州大学   53
(7)東京工業大学 52
(8)北海道大学  43
(9)九州工業大学 42
(10)神戸大学   34

【公立大学】
(1)会津大学   25
(2)大阪府立大学 14
(3)名古屋市立大学 8
(4)京都府立医科大学 7
(5)岩手県立大学 6
(6)秋田県立大学 5
(7)横浜市立大学 5
(8)大阪市立大学 5
(9)前橋工科大学 5
(10)滋賀県立大学 4

【私立大学】
(1)早稲田大学  74
(2)慶應義塾大学 57
(3)立命館大学  36
(4)龍谷大学   32
(5)日本大学   26
(6)東海大学   23
(7)高知工科大学 21
(8)同志社大学  17
(9)デジタルハリウッド大学院 16
(10)東京理科大学 14