2008年08月26日
三井化学、石化製品の2次値上げ幅を縮小
8〜9月のナフサ価格等の予想を下方修正
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は26日、同社がさる7月22日に打ち出した工業薬品、フェノール、機能材料の各事業部門の製品の今年第2次価格改訂の内容を減額修正することにしたと発表した。
 
 全ての製品の上げ幅を縮小することにしており、その理由としては8月ならびに9月の国産ナフサ価格が当初の予想を下回ることがはっきりしてきた点を挙げている。また、0.3%C重油の7〜9月期通期の価格がこれまでの予想を下回る見込みとなってきたことも考慮したと述べている。
 うちナフサ価格については、8月と9月の2ヶ月とも1キロリットル当たり93,000円になるとしていた当初の予想をともに88,000円に下方修正している。7月比で10,000値上がりするというのが同社ならびに多くの石化企業の当初の予想であったが、実際には同5,000円の値上がりにとどまると判断したもの。一方のC重油の価格は同105,000円としていた当初の予想を102,000円に同じく下方修正している。
 
 こうした新たな予想に沿ってこの日改めて表明した第2次価格改定額は、オレフィンの使用原単位の違いやオレフィン以外の原燃料・用役・副資材の負担額の差異によって製品ごとにかなり異なる。しかし、一部の製品を除いて修正幅はかなり大きいと言える。MIBKと機能材料事業本部の自動車・産業材料の1キログラム13円、EO、EO誘導品、アセトンの同10円などの減額が特に目を引く。修正後の上げ幅の中では、エポキシの同45円(ただし、燃料・用役等のコスト上昇分の転嫁も含む)が目立つが、これは原料エピクロールヒドリンの大幅値上がりが必至なことによるもので、他の製品とは事情が異なる。
 新価格への切り替え時期は、工業薬品事業部とフェノール事業部の取り扱い製品が8月15日、機能材料事業本部の自動車・産業材製品が8月1日となる。
 
 各製品の新たな価格改定幅(1キログラム当たり)は以下の通り。かっこ内は7月22日打ち出しの改定幅。
 ▽EO=18円(28円)。うち原料分10円(20円)、燃料・用役等8円(8円)。
 ▽EO誘導品=19円(29円)。同11円(20円)、同8円(9円)。
 ▽工業用EG=11円(19円)。同10円(18円)、同1円(1円)。
 ▽アンモニア=5円(10円)。同5円(10円)。
 ▽尿素=7円(10円)。同3円(6円)、同4円(4円)。
 ▽メラミン=25円(33円)。同14円(20円)、同11円(13円)。
 ▽MMA=13円(21円)。同8円(16円)、同5円(5円)。
 ▽アセトン=10円(20円)。同10円(20円)。
 ▽MIBK=25円(38円)。同13円(26円)、同12円(12円)。
 ▽IPA=16円(24円)。同8円(16円)、同8円(8円)。
 ▽BPA=11円(14円)。同6円(9円)、同5円(5円)。
 ▽エポキシ=45円(47円)。同32円(34円)、同13円(13円)。
 ▽フェノール=5円(5円)。燃料・用役等5円(5円)。
 ▽自動車・産業材製品=14円(27円)。同10円(20円)、同4円(7円)。