2001年05月18日 |
経済省が通商白書「東アジア大競争時代、日本は構改急げ」 |
“産業・貿易地図”大きく変化 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省は18日の閣議に2001年版の「通商白書」を提出、了承を得た。 (1)東アジアを舞台とした大競争時代(2)IT革命とビジネスのダイナミズム(3)グローバリゼーションの光と影(4)21世紀における対外経済政策の挑戦—の4章からなり関連データの分析やわが国がかかえている課題、今後のあり方などを提言している。 とくに東アジア経済に焦点を当て「ダイナミックな成長と競争激化の中で、産業・貿易地図に変化が生じている」としている。 さらに中国について「幅広い分野で急速に生産能力を拡大させた中国の発展によって、東アジアの発展形態は今まで見られた雁行形態的発展から必ずしも国の発展段階による棲み分けが行われない、新しい発展形態に変化していることを示している」と分析。自動車、IT関連機器、小売業などへの欧米企業進出状況などを紹介しながら、「世界経済は大競争時代と称される本格的なグローバリゼーションの時代を迎えた」と“宣言”している。 日本経済については「各国潜在競争力ランキング」(日本経済研究所調べ)を紹介している。総合ランキング1位は米国、2位シンガポール、3位オランダで日本は16位、国際金融・貿易では13位、同じく企業では10位、インフラ13位など。 さらに白書は、現在日本経済が閉塞状況に陥っている要因として、史上の成熟化と、わが国をとり巻く外部環境の変化に“迅速な対応が図られていない”ことを挙げ「今後は国内経済政策と併せて、対外経済政策を一体的に活用することにより、内外で調和のとれた市場環境を整備し、構造改革を早期に実現していくことが必要」であるとしている。 “結び”として(1)われわれが直面する多くの問題が、もはや国内問題として閉じた形で対応することが意味をなさない(2)閉塞状況から脱却するには市場メカニズムをうまく働かせるような枠組みの下で解決するしかない(3)日本人は長く安定成長が続いた結果、思考方法の柔軟性が低下し、体制の硬直化を招いた。こうした状況を踏まえ自己改革に取り組む必要があるとの点を強調している。 |