2008年09月01日
タカラバイオ、中国・中山大学と「肝細胞がん」共同研究
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:タカラバイオ

 タカラバイオ(加藤郁之進社長)は1日、中国広州市の中山大学がんセンター・夏教授及び呉教授と、ラジオ波焼灼療法とレトロネクチンによるリンパ球の拡大培養法を用いた細胞免疫療法とを組み合わせた肝細胞がんを対象とする臨床研究を共同で実施すると発表した。
 
 この結果、同社のレトロネクチン拡大培養法を用いた中国での臨床試験は、中国医学科学院がん病院、天津医科大学天津市腫瘍病院と合わせて3病院で展開することになった。
 
 中山大学がんセンターは1964年に創設された、中国の3大がん細胞治療グループ(広州、上海、天津)の1つ。中国南部では最大のがん予防・治療病院で、CIK細胞(Cytokine Induced Killer cells)を用いたがん細胞免疫療法の分野で多くの実績があり、ラジオ波焼灼療法などと組み合わせる方法により、ここ数年来、年間約1,000例のがん患者の治療で好成績をあげている。
 
 今回の臨床研究では、肝細胞がんの患者30人を対象に、最初にラジオ波焼灼療法による治療を行う。これは、直径約1.5ミリの金属針をCT等で画像を見ながら腫瘍組織内に挿入し、針先からラジオ波を放出して腫瘍組織を約100℃に加熱して壊死させ、次に、患者から採取したリンパ球をレトロネクチン拡大培養法により体外で活性化し、増殖させた後、患者の体内に戻してがん細胞を攻撃するという方法。
 
 がん攻撃能力の高いタカラバイオのレトロネクチン拡大培養法と、中山大学で実績のあるラジオ波焼灼療法を組み合わせることで、さらなる治療成績の向上を狙うとしている。
 
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1220251564.pdf