2001年05月18日 |
大日本インキ、クリアパクト増強で輸出向けの需要増に対応 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業 |
大日本インキ化学工業は先ごろ、四日市で需要が好調な特殊透明樹脂「クリアパクト」の設備を増強、2系列年産7万トン体制に拡大したが、これにより今後も市場の拡大が見込まれる輸出向けの対応を強化していく方針だ。 クリアパクトは、主原料にSM(スチレンモノマー)とMMAモノマーを用いたスチレン系特殊共重合樹脂。透明性や耐衝撃性に優れていることから、食品包装材料やOA機器関連、ABS樹脂の透明グレード代替などの用途で需要が好調に拡大しており、既存の年産3万トン設備はフル稼働となっていた。こうしたことから先月、四日市に有していた年産3万トンのGPPS(汎用ポリスチレン)設備について、原料供給と予備重合、またペレット化工程などに重点を置いた改造を行い、年産4万トンの専用設備とし、既存のクリアパクト専用系列をGPPSとの併産設備に切り替え、年産7万トン体制を構築した。 国内向けも食品包装分野を中心に、他素材からの代替が進むことで需要の拡大を期待しているが、今後は台湾や香港をはじめ海外市場においてローカル企業向け需要の大きな成長も見込まれる。このため輸出比率は増強前で全体の30~40%であったが、増強後はさらに拡大する見通しとなっている。 なお同社は、ポリスチレン事業で特殊化路線を推進しており、クリアパクトの増強により特殊化比率は従来の15%から40%に拡大する。その一方で1999年には出光石油化学との提携にともない一部既存設備とのスクラップアンドビルドにより独自技術を採用した年産10万トンのGPPS設備を稼動させ、効率的な生産体制の構築にも注力している。 |