2008年09月03日 |
EVAの国内出荷、7月も前年比10.2%増と好調 |
太陽電池向けの大幅増で10ヵ月連続の前年超え |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
EVA(エチレン酢ビコポリマー)の国内向け出荷の好調が続いている。7月の実績は14,821トンで、前年同月を10.2%上回った。これで同樹脂の国内向け出荷量は、昨年10月以降10ヵ月連続の前年同月超えとなった。今年1月から7月までの累計は91,619トンで、前年同期の実績を7.6%上回っている。汎用樹脂の中では高い伸びが長期にわたって続いている。 これは、同樹脂によるシートが太陽電池パネルのシール材向けに高い伸びを遂げていることが大きく作用している模様。現在のところ、同パネルのシール材向けにEVAがどのていど消費されているかを明確に示すデータはまだない。しかし同樹脂メーカー筋によると、最近の品種別出荷実績の中でひときわ高い成長が目立つフィルム・ラミ・シート用品種の多くは同シール向けで占められており、また一般成型品用品種の一部も同シール向けで構成されているという。 フィルム・ラミ・シート向けと一般成型品向けを合わせた今年1〜7月の出荷量は71,390トンで、国内総出荷量の総約78%を占めている。また、前年同期に対する伸張率は13.8%に達している。発泡体向けや接着剤向けなど他の品種は全て前年を下回っている。したがって過去10ヵ月におよぶ同樹脂の伸びは同シール材向けで支えられてきたといえる。 一方の輸出は、国向けとは逆に前年同月を下回る月が続いている。7月の輸出量は5,584トンで前年を20.9%下回り、このため総出荷量は20,405トンで前年を0.5%下回ることとなった。1〜7月トータルの輸出量は46,183トンで前年同期を7.7%下回り、同期の総出荷量は同1.9増の137,802トンにとどまっている。同樹脂メーカーによると、輸出の減少は旺盛な国内需要への対応に追われて輸出余力が急速に縮小してきているためで、EVA大手は全てフル稼働中だとしている。 |