2008年09月05日
プライムポリマーの新触媒PEの市場開拓が進展
ブローとパイプに加えフィルム品種も企業化へ
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:プライムポリマー

 プライムポリマーが進めてきたメタロセン触媒による高密度ポリエチレンの市場開拓が軌道に乗ってきた。先行のブロー用品種が洗剤容器用として大手需要家に本格採用されはじめたのに続いて、パイプ用とフィルム用の品種も有力ユーザー筋から注目され試験採用が広がりつつある。

 同社製品特有の高剛性、優れた落下強度、高耐薬品性、高生産性等が多くの需要家の間で人気を呼んでいることによるもの。同社では、ブロー、パイプ、フィルムの分野を中心に新しい市場を切り開いていく考えで高密度ポリエチレンビジネスの分野に新風を吹き込むことになる。

 プライムポリマーが開発したメタロセン触媒による高密度ポリエチレンは、高密度ポリエチレンの本質的な長所である高剛性を活かしながら、従来の同樹脂では容易に実現できなかった落下強度や薄肉強度、さらには低温成形性等も合わせ持たせることに成功したもの。

 例えば、先行販売したブロー(中空成形)品種の場合は優れた剛性に加えて既存の品種にない薄肉でも十分なストレスクラック性(耐薬品性)を同時に発揮できるようにした。この点に注目した大手洗剤企業が省資源・省エネ型ポリマーとして評価、台所用の新洗剤容器として大々的に採用している。プライムポリマーでは、洗剤容器に続いて中・大型の薬品缶分野にも同品種独持の市場を確保していきたい考えだ。

 一方、パイプ用品種の場合は、優れた剛性と低温成形性を合わせ持つ点が大きな特徴。パイプ本体にとどまらず継手にもこうした長所を活かせるため、大手パイプメーカーが試験採用に踏み切っている。プライムポリマーでは、国内の上下水道向けのほか海外のガス管や水道管の需要開拓にも力を入れていく方針。

 フィルム用品種は、製品の肉厚を既存のHDPE製品に比べて20〜30%減らしても十分な強度を発揮できるようにした点が大きな強み。パッケージング企業やエンドユーザー筋が省資源・省エネ性に注目して試験採用に相次いで踏み切っている。

 プライムポリマーでは、これら3品種それぞれの持つ優れた環境適合機能と高生産性をフルに活用していくことで、直鎖状低密度ポリエチレン「エボリュー」に次ぐ差別化ポリマーとして同樹脂を大きく育成する考えだ。