2001年05月18日 |
藤沢薬品工業、仏セルヴィエ社の骨粗鬆症治療薬導入契約を締結 |
整形外科領域の製品ラインを充実へ |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:藤沢薬品 |
藤沢薬品工業は18日、フランスの製薬企業セルヴィエリサーチグループに属するアディール・エ・コンパニー(ADIR ET CIE)と、骨粗鬆症治療薬「ラネリック酸ストロンチウム(strontium ranelate)」(一般名)の日本における開発・製造・販売契約を締結致した、と発表した。 骨粗鬆症は、骨組織量の全身性、進行性の減少であり、形態学的には普通の骨にも関わらず、骨格の脆弱性を示す疾患で、骨吸収と骨形成という所謂骨代謝回転のバランスが崩れることで発症する。骨粗鬆症は原発性骨粗鬆症と二次骨粗鬆症に大別されるが、原発性骨粗鬆症がほとんどで、二次骨粗鬆症が占める割合は数%軽度。原発性骨粗鬆症では、閉経後の女性に発症する閉経後骨粗鬆症と老齢者に発症する老年期骨粗鬆症が、高齢化社会の進展に伴って社会問題にもなっている。骨粗鬆症の患者数は現在約1,000万人と推 定されているが、2010年には1,600万人になると堆定されている。 骨粗鬆症の主な臨床的発現は骨折で、骨の強度が著しく低下することから、転倒などの軽微な外傷によっても骨折を起こしやすくなるが、骨折を生じると患者のQOLを著しく低下させることになる。既存薬では充分な治療効果が期待できない症例も多く、骨折予防および骨折予後を改善する新規薬剤の開発が望まれてる。 ラネリック酸ストロンチウムは、セルヴィエが現在欧州ならびにオーストラリアで数千例規模のフェーズ〓試験を実施している。これまでに実施した前臨床試験ならびに臨床試験の結果、既存薬とは異なり、骨形成促進および骨吸収抑制の両作用を持つことが示唆されており、競合品との差別化の可能性が期待されている。日本での開発は、今後当社がフェーズ〓臨床試験から開始する予定。 同社は、整形外科領域を今後の重点指向領域の一つとして捉えており、とくに骨粗鬆症は慢性関節リウマチとともに整形外科領域で最も市場の大きい疾患であることから、本剤の導入によって、本領域における製品ラインが充実する。 |