2008年09月09日
資エ庁、住宅・建築物の省エネ化で53億円の予算を要求
来年度も樹脂サッシの設置等の住宅の断熱化を推進
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全、経済産業省)
【関連企業・団体】:資源エネルギー庁

 経産省資源エネルギー庁は、来年度も民間による住宅の断熱リフォームをはじめとした住宅・建築物全体の高効率エネルギーシステムの導入を積極的に支援していく方針を固め、総額53億円の予算を財務省に要求することにした。今年度の実行予算額を5,150万円上回る。

 これは、省エネ型の空調、給湯、照明、断熱材等で構成される高効率エネルギーシステムを民間が導入して住宅やビルなどの断熱・省エネ化を図る場合、その費用の3分の1をNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの補助金の交付によって支援するというもの。塩ビサッシによる窓の断熱化も支援対象となっている。

 同庁がこの支援システムを採用したのは、京都議定書の締結後も増え続けている民生部門のエネルギー消費に歯止めをかけるには住宅の断熱化リフォームを中心とした新築ならびに既設の建物の多くの断熱・省エネを資金面でバックアップしていくことが大切と判断したため。

 当初は同制度の存在が一般にあまり知られていなかったため応募件数が少なかったが、その後は同庁とNEDOのPR活動もあって応募者が急速に増えてきている。塩ビサッシの採用による窓の断熱化が中心となる断熱リフォームを例に取ると、平成19年度は約1,600件、20年度には4,000件強まで拡大している。

 当初の予想を大きく上回ったため、計画していた3回の募集回数を最初の1回だけで打ち切りとし、補助率も3分の1を4分の1に縮小し、1件当たりの補助額が減額される反面申請者全てに補助金が行き渡るようにした。これに要した補助金額は15億円。

 同庁では、来年度も塩ビサッシによるリフォームでNEDOの補助金交付の申請が今年度を上回るのは確実と予想している。ニーズに対応していくには同システム導入予算全体の増額が不可欠で、財務省で認められた段階で断熱リフォーム枠の増額も実現していく考えだ。