2008年09月12日
ポリエチレンも内外需が大幅減に
先安観の広がりか、注文が激減
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ポリエチレン各社によると、8月以降、PPに加えて同樹脂に対する内外の需要家からの引き合いと注文も再び急速に縮小してきた。8月、9月とも受注量が前年を大幅に下回っているようで、各社とも対応に頭を痛めている。

 今年に入ってからポリエチレンの月間出荷量は、LDPEもHDPEも2月から5月まで4ヵ月にわたって前年同月を大幅に下回るレベルで推移。翌6月はともに前年を6%上回ったが、7月に入るとLDPEは1%増に、HDPEは2%減となって先行きに不安感を抱く向きが増えていた。

 8月の実績がまとまるまでにはもう少し時間がかかりそうだが、PE各社によるとLDPEもHDPEも国内向けと輸出がともに前年同月の実績を10数パーセント下回った模様。当初の予想を大きく上回る縮小幅となっている。9月に入っても同様に前年同月を大幅に割り込む状態が続いてるという。

 国内向けでは、パッケージング分野の需要不振が特に目立つとのこと。これには、大口需要家の間に原油とナフサ価格の先安観が急速に広がってきたことが作用していると見られる。フィルムメーカー等の包装容器分野の需要家の中には、原料樹脂の価格決定にナフサスライド制を受け入れていないといころがまだ半分近くあると見られている。

 これらの需要家は6月初旬から7月初旬までの間に余分に蓄積してきた樹脂だけで当面の需要に対応していく考えのようで、ポリエチレン各社が最近のナフサ価格の下降に合わせて樹脂価格も下方調整すると見られる10月までは買い控えを続けることになりそうだ。

 アジア市場のユーザーやトレーダの間でも、同様の構えにあるところが大半を占めている模様。ポリエチレン各社とも減産の強化が当面の最重要課題となってきた感じだ。