2008年09月16日
米倉・日化協会長会見「原油価格 まだ下がる」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:石油化学工業協会
米倉日化協会長

 日化協の米倉弘昌会長(住友化学社長)は16日の定例記者会見で、記者団の質問に答え米・リーマン・ブラザーズの破綻や原油価格暴落の問題について以下の通り感想を語った。
 
■米・リーマン・ブラザーズの破綻
 6月にアメリカへ行ったとき、向こうの銀行の人に会った。「サブプライム問題はほぼ収束した。そのうちに実体経済に影響が出てくるだろう」という話だった。確かに、いろいろな数字や指標を見ても、だいぶ回復してきたように見えた。それだけに今回、アメリカの証券界は、世界に向かってショックを発信したと思う。各国の金融当局は今こそ力を合わせて対応してほしい。
 
 ただ、欧米に比べるとアジア経済は中国、インドを含めて割りとしっかりしている。経済の落ち込みもそれほど大きくないし、それなりの“弾性”をもっている。これからも強い力を発揮していくのではないかと期待している。
 
■原油価格の暴落
 原油価格はきょう(16日)現在95ドルまで下がったが、年内にはもっと下がる。07年の世界の原油消費量は1.3%の伸びだった。それなのに価格は40%も50%も上がった。このこと自体がすでにおかしい。サブプライムで余った金が“うろうろ”していた。世界経済が落ち込んできたときに、その反動が現れたということだろう。年内はもっと下がる。75ー100ドルという見方があるが、当たっていると思う。いずれは55ー75ドルで落ち着くのではないか。そうなると実体経済もうまくいくようになる。
 
■石化製品価格への影響
 原油やナフサ価格が下がったといっても、入荷は2カ月先で、今工場で使っているのはこの夏の高いときに買ったナフサだ。それに国産ナフサの場合はフォーミュラー化していて、四半期ごとに基準価格を設定している。このタイムラグの問題があるので、ナフサ価格が下がったといっても、実際にメリットが受けられるのはまだ先になる。