2008年09月16日
米倉・日化協会長「排出量取引制度」に慎重姿勢
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:住友化学、日本化学工業協会

 日本化学工業協会の米倉弘昌会長(住友化学社長)は16日の理事会後の記者会見で、(1)地球温暖化への取り組みの強化(2)化学品安全問題への取り組みの強化(3)国内外での化学産業のプレゼンスの向上、など当面の課題と活動状況を語った。

 この中で、地球温暖化対策の現状では「日本の化学企業は自主行動計画に沿ってエネルギー原単位の改善に引き続き懸命の努力を重ねており、その結果07年度も7年連続前倒しして目標を大きくクリアすることができた。これによって速報ベースでCO2の排出量を15%削減できたと判断している。今後も、エネルギー原単位を20%改善するという新たな目標のクリアに化学業界全体で果敢に挑戦していきたい」と述べた。

 次に、10月からの試行が注目されている「排出量取引制度」問題については「企業個々の判断で参加することになる」と前置きしたうえで、「キャップ・アンド・トレード制度には事前に入念にチェックしなければならないいくつかの問題点がある。例えば、安易なマネーゲームの対象となって、産業界に過大な投資を迫られるようなことにならにようにするのもその一つだ」と指摘、引続き慎重な姿勢を示した。
 
 さらに「基本はやはりセクトラル・アプローチ手法で世界全体の産業界が合理的にCO2ガスの排出量を削減していくようにしていくことだ」と強調、ICCAの会合でのコンセンサス作りに対する意欲を見せた。