2008年09月17日
PVCの出荷、8月も前年比22.5%減と不振
国内向けも再び大幅な前年割れに
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 PVC(塩ビ樹脂)の8月の総出荷数量は、前年同月比22.5%減の127,353トンとなった。10ヵ月連続の前年同月割れである。国内向けは同9.4%減の83,789トン、輸出は同39.3%減の43,564トンとなった。国内向けは7月に17ヵ月振りに前年同月を上回り(8.0%増)、8月に期待がもたれていたが、結果は大幅なマイナス成長に戻った。

 同日、定例記者会見した菅原・塩ビ工業・環境協会会長は、要因について「値上げ表明に伴って発生した前倒し需要が一巡したあと、原油価格の反落で塩ビ樹脂についても市場に先安観が広がり買い控えに踏み切るユーザーが相次いだことが大きい」と指摘。次いで「原油価格が引き続き下降線をたどっているので、需要家の買い控えがいつ終息するかを見極めるのは容易でない」と今後に対する厳しい見方をした。

 一方で同会長は「こいう厳しいときこそ、塩ビ製品の持つ省資源・易リサイクル性といった優れた環境適性を広く認識・理解していただくための努力が必要」と述べ、PR・啓発活動に積極的に取り組んでいく考えを強調した。

 輸出の縮小も、中国をはじめとした海外の需要家の間に広がった先安観による買い控えが影響したものと見られる。8ヵ月連続の前年同月割れである。

 生産は同14.5%減の139,780トンとなり、9ヵ月連続の前年割れとなった。各社とも減産を継続しているが、需要が内外とも大きく落ち込んでいるので、月末在庫は前月より12.9%増えて108,563トンとなった。前年同月を14.1%上回っている。


ニュースリリース参照
○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1221637372.xls

○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1221637372.xls