2008年09月22日
アジア地域のポリオレフィン市況が一段安に
中国等が内需不振と先安観で買い控え強める
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 複数の大手商社によると、中国をはじめとしたアジア地域におけるポリオレフィンの市況がここにきて一段と下げ足を強めてきた。
 中国等の輸入各国が極端な買い控えを続けているため、在庫の膨脹に音を上げたアジア各国のポリオレフィン企業とトレーダーの中に大幅値下げを表明するところが出てきたことによるもの。
 
 中国のCFR価格を例に取ると、直近のトン当たりの平均価格はPPのホモポリマーが1,350ドル、HP-LDPEが1,500ドル、L-LDPEとHDPEが1,450ドルといったところ。2週間で250〜300ドル下がったことになる。最近では異例の下降率といえる。
 
 大手商社筋では、中国をはじめとした輸入各国が買い控えを強化してきた要因として(1)欧米向けの樹脂加工製品の輸出が激減してきたこと(2)国内需要も包装材を中心に縮小傾向が強まってきたこと(3)原油の下降傾向を睨んでポリオレフィン全体の価格に対しても先安観測が広がってきたこと、の3点を挙げている。そして、これらのマイナス要因が解消されるまでは市況の回復はおぼつかないと判断している。