2008年09月24日
タカラバイオ、アトピー性皮膚炎を寒天オリゴ糖で抑制
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:タカラバイオ

 タカラバイオ(加藤郁之進社長)は24日、寒天を酸分解して生成されるアガロオリゴ糖(寒天オリゴ糖)に、アトピー性皮膚炎を抑える働きがあることを動物実験で明らかにしたと発表した。9月28日、京都市で開催される第58回日本体質医学会総会に発表する。

 寒天オリゴ糖は、主成分であるアガロースを酸分解することによって得られる2糖ー8糖のオリゴ糖で、ガラクトースと3,6-アンハイドロガラクトースが交互につながった糖鎖構造をもっている。

 同社は、培養細胞を用いた実験で寒天オリゴ糖が酸化作用の強い一酸化窒素(NO)の産生を抑制する抗酸化作用や解毒酵素の活性増強作用があり、寒天オリゴ糖を経口投与した動物実験で、関節炎抑制作用や発がん抑制作用などを有することをこれまでに明らかにしてきた。

 今回は、寒天オリゴ糖の水溶液を、アトピー性皮膚炎モデル動物に4週間自由摂取させ、定期的な皮膚炎症状の観察や皮膚からの水分蒸散量の測定、血中IgE抗体濃度の測定を行った。また摂取終了後、皮膚組織における炎症関連遺伝子の発現解析を行った。 その結果、皮膚炎の発症と進行に伴う皮膚炎スコアの増加や皮膚角質層の破壊による皮膚からの水分蒸散量の増加が寒天オリゴ糖の経口摂取により抑制された。
 
 また摂取4週目に、アレルギーの指標である血中抗体濃度が寒天オリゴ糖によって約55%抑えられた。さらに、摂取終了後の皮膚における炎症関連遺伝子の発現をリアルタイムPCRで解析した結果、炎症に強く関与するシクロオキシゲナーゼ・2遺伝子(COX2)の発現上昇が約60%抑えられた。これらの結果は、寒天オリゴ糖の摂取がアトピー性皮膚炎を抑える働きがあることを示しているとしている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1222242282.pdf