2008年09月26日 |
カネカ、新たな抗菌メカニズムを持つ樹脂改質用添加剤を開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:カネカ |
カネカは26日、天然素材であるコラーゲンをベースとした、ユニークな抗菌メカニズムを有する樹脂改質用添加剤の開発に業界で初めて成功したと発表した。コーティング用の表面処理用添加剤として、家電製品、文房具などの日用品や自動車内装材、壁紙などの工業製品への積極展開を図る。5年後の売上高約10億円を目指す。 同社は、アルミニウムを架橋剤として、独自の技術でコラーゲンを高純度に精製・安定化する技術を開発し、多くの機能を持つ樹脂改質用添加剤を作ることに成功した。 今回開発した添加剤は、細菌の増殖や生存に必要なリンを吸着・除去する機能を有する。この機能により細菌の増殖を抑制し、アルミニウムのような弱い抗菌力でも細菌数を激減させることが可能となる。具体的には、MRSA、黄色ぶどう球菌、サルモネラ菌などの細菌に対して幅広い抗菌性を示すとともに、黒変の原因であるクロカワカビなどにも抗菌性を示す。 抗菌性以外にも次の特徴がある。 (1)コラーゲンの持つ高い吸放湿機能に加え、さらっとした触感を示す。 (2)加熱や紫外線による変色に対して耐性を示す。 (3)親水性・疎水性樹脂母材や溶剤への良好な分散性を示す。 なお同社は、9月11日に開催された日本防菌防黴学会第35回年次大会で「アルミニウムを含むコラーゲンの抗菌作用」として、同技術の内容を大阪市立工業研究所と共同で発表した。 |