2008年10月06日
三井化学のPHとBPAの減産幅が一段と拡大
名古屋や大阪の生産調整に市原等の定修が加わる
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学によると、同社のフェノール(PH)とビスフェノールA(BPA)の10〜12月期における生産量は4〜9月期以上に縮小することが確定した。
 
 PHの場合は、大阪工場における年産200,000トン設備の稼動調整(25%減)の継続に加えて、市原工場の同200,000トン設備が10月22日から11月26日まで35日間定修のため運休する予定。
 
 一方のBPAの場合は、名古屋工場の同50,000トン設備を需給調整のため引き続き10月25日まで運休するのに加えて、市原工場の同90,000トン設備が10月15日から11月27日までの43日間にわたって定修のため運休、さらにシンガポールの同70,000トンの第2系列も11月中に同じく定修のため1ヵ月間運休することとなっている。
 
 4〜9月期のPHの稼働率は93%で、減産数量は約30,000トンであった。BPAの稼動率も同じく93%で、減産数量は約25,000トンであった。またPHの連産品であるアセトン(AC)の減産率も93%で、減産量は約20,000トンであった。10〜12月期はいずれも減産量が一段と増えることになる。
 
 一方の需要は、大口消化先であるポリカーボネートや建築向け以外の分野向けの溶剤の需要がアジア地域全体で10月中旬以降回復傾向を辿るとの見方が関係各方面に広がっている。それが現実のものとなれば、減産効果と相俟ってPHもBPAも需給バランスが国の内外ともに急速に回復していくことになる。