2008年10月06日
三井化学、PH価格の3Qの未達分を4Qにクリア
4Q期分の価格は3Qの転嫁分を反映して決定へ
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は6日、未決着状態にあるフェノール(PH)とその関連製品であるアセトン(AC)ならびにビスフェノールA(BPA)の7〜9月期(3Q)分の国内価格の是正計画をいったん棚上げして10〜12月期(4Q)分の価格を検討していく際に3Qにおける未達成分を加味していことに方針を改めたと発表した。
 
 同社によると、同社ではPH、AC、BPAの3品目とも7〜9月の国内価格を原燃料価格の急上昇に合わせてそれぞれ是正することにして需要家各社と交渉を進めてきたが、いずれも同意を得られないままきているという。7月分こそ底上げできたものの、続いて打ち出した8月以降の値上げ表明に対しては折から原油とナフサの国際相場が反落して市場全体に先安観測が芽生えたため需要家各社が強く反発して中断を余儀なくされているとのこと。
 
 このため同社では、PHの場合はベンゼン(BZ)リンク方式とは別にカウントされてしかるべきC重油の高騰分(キロリットル当たり84,000円から98,000円への上昇=キログラム7円)を製品価格に転嫁できないままきているという。
 またACについては、ナフサの上昇分(キロリットル当たり2,000〜3,000円)の転嫁が未達として残っていると説明している。MUBKやIPAも同様という。
 BPAに関しては、ナフサの同2,000円の上昇分とC重油の同14,000円の上昇分とが未転嫁のままとなっているとのこと。
 しかも、いずれの製品も未転嫁が2・四半期連続となっているため負担分は自助努力できる範囲を大きく超えているとも述べている。
 
 しかし、原油やナフサの国際価格の下降が続いている中で需要家各社に3Q分の引き上げの早期受け入れを求めるのは現実的と言えず、このため12月早々にも開始する4Q期分の価格の検討の際に改めて3Q期分の未転嫁分のクリアを必要不可欠な要件として計算に入れて最終価格を決定していくことにした。
 当然のことながら、現時点では4Qの原燃料価格の落ち着きどころは見極めにくい。しかし少なくともPHの国内販売価格の場合は、3QのC重油の未達分の転嫁を加味すると値下げはあり得ないとしている。

 なお同社では、ACについては千葉フェノールにおいて生産されるACの全てを9月からプロピレンに戻しており、年内は千葉フェノールでのACの生産はゼロに抑えていくことにしている。