2008年10月07日
三井化学、PH等の輸出価格を是正へ
PHとBPAは100ドル、ACは200ドル上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、10月中旬出荷分から各種フェノール(PH)・チェーン製品の輸出価格を全て引き上げる方針をアためた。
 
 PHとビスフェノールA(BPA)についてはともにトン当たり100ドル、アセトン(AC)の場合は同200ドル引き上げる考え。

 これらの製品の現時点におけるアジア地域の平均価格は、PHが同1,500ドル、BPAが同1,750ドル、ACが同1,020ドルとなっている。いずれもこの数ヶ月間ほとんど変化なくきている。三井化学をはじめPH各社は、原燃料価格の高騰に対処してこれまでも何度か値上げに挑戦してきたが、中国はじめとしたアジア諸国における需要の停滞と8月に入ってからの原油とナフサの国際相場の下落に足を引っ張られて不発に終わっている。
 
 そうしたなかで今回三井化学が再挑戦することにしたのは、原油価格こそここにきて下げ足を早めてきたものの、PHのような中間製品の生産コストは依然として高止まりの状態にあって現在の輸出価格では赤字からの脱却が不可能となっているため。
 同社によると、アジア地域におけるフェノール製品の最近の需給バランスは、PH各社の大幅な生産調整とポリカーボネート向けや溶剤向けを中心とした需要の上向きによって回復しつつある。このため市中在庫の縮小とともに市況の改善も十分可能と同社では判断している。