2008年10月08日 |
昭和電工、ベトナムにレアアース合金の原料製造会社を設立 |
高性能ネオジム系磁石用合金の原料調達体制を強化 |
【カテゴリー】:経営(海外) 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は8日、ベトナムにこのほどレアアース合金の原料製造子会社「昭和電工レアアースベトナム有限会社」を設立したと発表した。 11月から生産設備建設に着手し、2010年4月から高性能ネオジム系磁石合金の原料であるジジムメタル(ネオジムとプラセオジムを主成分とする合金)ならびにジスプロシウムメタルあわせて年800トンの生産を開始する。 高性能ネオジム系磁石は、自動車向けやエレクトロニクス向け需要が好調だが、最近は風力発電向けなども注目されており、市場はさらに拡大する見通し。 同社は現在、秩父事業所に年産5,000トン、中国内の2つの子会社に計3,000トン、合わせて年産8,000トンのレアアース磁石合金設備をもち、内外磁石メーカーに供給しているが、原料をすべて中国産に依存しているため、安定確保に課題があった。 このため、ベトナム国内外のレアアース混合原料やレアアース酸化物など複数種類の原料に対応可能な分離精製設備と、ジジムメタルやジスプロシウムメタル生産のための電解工場を建設し、高性能原料の安定調達を図る。2010年に売上高20億円を目指す。 【新会社の概要】 (1)社名 :昭和電工レアアースベトナム有限会社 (2)所在地 :ベトナム社会主義共和国 ハーナム省 ドンバン2工業団地(ハノイ南方約40キロの国道一号線沿い) (3)資本金 :6,360千米ドル(約7億円) (4)設立 :2008年10月1日 (5)出資比率 :昭和電工90% 東海貿易10% (6)事業内容 :ジジムメタル、ジスプロシウムメタル等レアアース磁石用合金原料の製造販売 (7)社員数 :約130名 (8)代表者 :◇会長 海老沼 彰(昭和電工レアアース事業部長) ◇社長 村上 大憲(昭和電工レアアース事業部) 【用語解説】 ◇ネオジム(元素記号 Nd) :レアアースの一種。強力な磁力を持つネオジム系磁石の主要元素。 ◇プラセオジム(元素記号Pr)やジスプロシウム(同 Dy) :レアアースの一種。ネオジム系磁石に添加される。 ◇イオン吸着鉱 :蛍光体用のイットリウム、ユウロピウム(元素記号 Eu)や磁石用のネオジム、ジスプロシウム等を含有する鉱石であり、中国江西省を中心とした南部地域に分布する。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1223438843.doc |