2008年10月08日
日本ポリプロ、新規軟質PPの量産技術を確立
商品名「ウェルネクス」で来年早々に販売開始
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本ポリプロ

 日本ポリプロは8日、メタロセン触媒による新規軟質ポリプロピレンの量産技術の確立に成功したので来年はじめに企業化すると発表した。
 
 新たに開発した技術は、既存の横型リアクターの気相法PPプラント(ホライゾンプロセスプラント)を使って透明性、柔軟性、耐熱性に優れ、ベタツキ性の低いプロピレン系エラストマー(軟質ポリプロピレン)をメタロセン触媒によって安定的に製造するためのもの。メタロセン触媒と環境負荷の小さい気相法の組み合わせによるプロピレン系エラストマーの量産技術は世界で初めて。

 同社では年内に既存の気相法プラントを使って量産を開始、来年はじめには商品名「ウェルネクス」で同ポリマーの販売を始める。
 これまで同社はメタロセン触媒によるPPとしては硬質製品向けを主力とするコポリマー「ウインテック」を、またプロピレン系エラストマーとしてはチーグターナッタ触媒を使った「ニューコン」を企業化してきた。今回の「ウェルネクス」の戦列参加によって同社の機能性PP事業に一段と厚みが加わることになる。

 同社によると、「ウェルネクス」は分子構造の均一性が高く、低分子量、低結晶成分が少ないのが大きな強みという。このため優れた透明性・耐熱性・柔軟性をバランスよく発揮、加えてベタツキ性も低いので既存のポリマーでは十分カバーできなかった需要分野の厳しいニーズに的確に対応していけると同社では説明している。食品容器部材、情報電子部材、医療用部材、フィルム・シートの改質材等の分野に新たな市場を確立していきたいとしている。価格は既存のPPコポリマーの1.5倍ていどとなる見込み。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1223438680.pdf