2008年10月10日
アジアのポリオレフィン相場が続落
国慶節明けも注文が回復せず
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域のポリオレフィンの相場が中国の国慶節明けに一段と下がってきた。大手商社各社によると、直近の価格は、最大消費国である中国のCFR価格を例にとると、最も需給が均衡しているHP-LDPE(高圧法低密度ポリエチレン)でもトン当たり1,400ドル弱となっており、他の品種は軒並み1,300ドルを割り込んでいる。

 HDPE(高密度ポリエチレン)とC4コモノマーのL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)はともに1,280〜1,290ドル、PP-H(ポリプロピレンホモポリマー)は1,100ドル強となっている。9月下旬の契約時に比べるとHDPEが120ドル、HP-LDPEとC4コモノマーのL-LDPEが200ドル、PP-Hが280ドル下がったことになる。わずかな期間でかつてない大幅な値下がりとなっているわけで、しかも各商社とも実際のディ−ルは極めて少量にとどまっているという。

 これには、中国からの注文と引き合いが国慶節明けも一向に回復しないままきていることが大きく影響している模様。その背景については、(1)市場全体にまだ各樹脂の価格に対する先安観が強く買い控えを続ける需要家が大勢を占めていること(2)経済の急速な冷え込みで資金繰りに困る加工企業がアジア全体に増えてきたこと(3)加工製品全体の対米および対欧州向け輸出が激減していること--いくつもの要因が挙げられている。
 したがって、今後についても早急な需要の回復は期待できないと見る商社が多い。