2008年10月15日
PVCの不振続く、9月の出荷 前年比21.5%の大幅減
「住宅着工の回復に期待」と菅原・VEC会長
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会の15日の発表によると、PVC(塩ビポリマー)の9月の生産量と出荷量は引き続き前年同月を大幅に下回った。生産量は154,103トンで15.6%減、出荷量は141,295トンで21.5%減となった。
 
 生産は10カ月連続、出荷は11カ月連続の前年同月割れである。出荷のうちの国内向けは100,172トンで7.8%減にとどまったが、輸出は41,123トンで42.4%の減少となった。輸出は9カ月連続の前年割れで不振が長期化している。月末在庫は121,371トンで24.1%増えた。

 一方、VCM(塩ビモノマー)の9月の生産・出荷量のともに前年同月を大幅に下回った。生産は208,899トンで前年同月比23.1減、出荷は194,479トンで同22.0%減だった。

 出荷は10カ月連続の前年同月割れ。PVC用が同じく10カ月連続の前年同月割れの14.5%減と不振だったのに加え、8月に同54.9%増の輸出が一転して43.4%減となったことが響いた。

 記者会見した菅原公一・同協会会長(カネカ社長)は、9月の出荷実績が引き続き前年を割り込んだ理由について「国内向けの不振は、7月に発生した前倒し需要の反動と需要家の在庫調整の進行によるところが大きく、一方の輸出の大幅な落ち込みは、中国をはじめとしてアジア各地に先安観が広がったためのようだ」と語った。また、今後の国内需要の見通しについては「今年度に入り住宅の新築件数が上向いてきたので、今年末から来年はじめには回復するのではないか」との期待を示した。

ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1224051377.xls

○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1224051377.xls