2008年10月17日 |
PSの9月の出荷、8月に続いての前年割れに |
うち輸出も21ヶ月振りに前年を下回る |
【カテゴリー】:実績/統計(行政/団体、原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:日本スチレン工業会 |
日本スチレン工業会が17日に明らかにしたところによると、PS(ポリスチレン)の9月の総出荷数量は64,673トンで、前年同月の実績を14%下回った。2カ月連続の前年同月割れである。 うち国内向けは同14%減の61,626トンで、8月に続いての前年割れとなった。一方の輸出は同25%減の3,047トンで、21ヶ月振りに前年同月割れに転じた。 同工業会の水谷茂会長(PSジャパン社長)は、国内向けが2カ月連続の前年割れとなった背景について「6月から月にかけて発生した値上げ前の先行需要の反動が8月にとどまらず9月末まで続いたことによる面が大きい」と指摘、一方の輸出が大幅な前年割れに転じた点については「昨年9月の実績が前の年の2.4倍もの規模であったことを考慮する必要がある」と述べて複数年ベースで捉えることの重要性を強調した。 国内向けは全ての需要分野がマイナス成長となっている。最大消費分野の包装用が11%減って4ヶ月振りの前年割れとなったことが大きく影響している。かつては安定した伸びを遂げていた電機・工業用も同じく11%減で、前年割れが連続6ヶ月に延びている。雑貨・産業用とFS用はともに2ヵ月連続の前年割れである。これらの中では雑貨・産業用の31%減が特に目立つ。 一方の生産量は同11%減の66,447トンとなった。6ヵ月連続の前年割れである。「多くの樹脂メーカーが厳しい事態を予想して大幅な減産を実施してきたことによる」(水谷会長)ものと見られる。これに伴う月末在庫は同24%減の85,491トンに縮小した。 この結果、7〜9月期の総出荷数量は前年同期比3%減の209,443トンとなった。うち国内向けは同4%減の198,658トンで、3・四半期連続の前年同期割れとなった。四半期の20万トンの大台割れは20年振りとなる。包装用は前年同期と同じレベルに踏みとどまったが、他の分野は全てマイナス成長となった。電機・工業用の9%減と雑貨・産業用の7%減が全体の足を引っ張っている。 今後の国内需要の見通しについて水谷会長は「景気全体が一段と悪化する心配があるだけに第4・四半期も前年同期を下回るとの覚悟が必要。これまで極めて小規模にとどまっていた輸入が拡大する傾向もあり、今年の国内向け出荷の総数量は前年を6%ていど下回る可能性がある」と厳しい見方を披露した。 輸出は逆に前年時を7%上回って10,785トンとなっている。7・四半期連続の前年同期超えである。生産量は同11%減の209,471トンで、2・四半期連続の前年同期割れとなった。 |