2008年10月20日
EGのアジアのスポット相場が一段安
中国の買い控えでACPとの間に大きな乖離
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 石油化学大手ならびに商社筋によると、ポリエステル原料のEG(エチレングリコール)のアジア地域におけるスポット相場が先週半ば以降に一段と下げ足を早めてきた。
 
 最大の消費国である中国の先週末の輸入CFR価格の平均はトン580ドルで、1週間前に比べてさらに150ドル安となっている。今年に入ってからピークの1月上旬の価格に比べると59%、1年前の平均に対比すると53%前後下がった。
 メグローバルやサビックが9月半ばに表明した10月のアジア向けコントラクト価格(ACP)は同1,000〜1,020ドルとなっていたが、実際には市場から完全に無視されていてスポット価格が通り相場となっている模様。両社は先ごろ、11月のACPを同900ドルに引き下げると表明したが、その価格で契約する需要家は今のところ皆無といわれる。
 
 続落の最大の要因は、ポリエステル繊維の輸出の落ち込みに伴う需要全体の縮小と、原油ならびにナフサ相場の下降の継続に伴うEG相場の先安観の拡大による買い控えの徹底にあると見られる。特に目立つのは中国の需要家からの引き合い数量の縮小で、価格競争力に優れる中東品でさえ最近の契約数量は前年を大きく下回っており、アジア各国のEG企業に至っては交渉のテーブルにほとんど着けない状態が続いていると伝えられる。市場関係者の間では、今週もスポットの唱え値が下降を続けると予想する向きが多い。