2008年10月20日
<訃報>土方 武氏(ひじかた・たけし=住友化学相談役、元社長・会長)
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:なし

 15日午前1時24分、急性腎不全のため死去、93歳。葬儀・告別式は20日、近親者のみで済ませた。喪主は妻、道子さん。別途「お別れの会」を行なうが、日時などは未定。
 
 昭和16年東京大学経済学部卒業と同時に住友化学工業(現住友化学)に入社。企画部長などを経て46年取締役。常務、副社長を経て52年〜60年社長、60年〜平成5年会長。岐阜県出身。
 
 わが国石油化学業界では、昭和30年代の勃興期から50年代の成長期までを常に第一線で体験してきた。57年には業界初の海外プロジェクトとしてシンガポールに大型コンビナートを立ち上げた。しかし業界内には絶えず設備過剰や過当競争問題を抱えていた。そうした難局を持ち前の大らかさとリーダーシップで切り抜け、業界の安定化と発展に尽くした。
 
 昭和57年「産構法」論議とからんで、12センター(当時)社長が欧州に向かったとき、調査団の団長を務めた。当時業界内では派遣をめぐって賛否両論渦巻いたが、最後には「土方さんが団長なら」というので決着した。化学業界が生んだ、華のある実力経営者の一人。周りからは、敬意と親しみを込めて、こっそり“ザ・マン”といわれていた。

 石化協会長、日化協会会長などのほか、日本たばこ産業会長、経済団体連合会副会長などの要職をつとめた。
 
 昭和55年11月 藍綬褒章
 昭和62年4月 勲一等瑞宝章