2008年10月21日
アジアの樹脂相場、EVAも大幅な下降
中国向け、発泡用は1,800〜1,900ドルに
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
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 合成樹脂のアジア相場が軒並み大幅な下降を続ける中で比較的高水準を維持してきたEVA(エチレン酢ビコポリマー)のアジア相場も、ここにきて急速に下降線をたどりはじめた。

 大口消化先の中国向け直近のCFR価格は、シューズ向けを中心とする発泡用品種がトン当たり1,800〜1,900ドル、接着剤用が同2,100〜2,200ドルとなっている。今年6月には、原燃料の高騰と需給バランスのタイト化によって発泡用が同2,400〜2,500ドル、接着剤用が同2,600〜2,700ドルに達していた。

 その後は軟化に転じたもののポリオレフィンやPVCのような汎用樹脂ほど激しい下落には見舞われないできていた。それが9月半ばから週を追って下降するに至っている。シューズ向けが不需要期入りしたことと、中国をはじめアジア地域全域の需要家の間に先安感観測が強まって買い控えに徹するところが増えたことが大きな要因。
 
 このためわが国のEVAメーカーは、輸出採算を維持できなくなってきており特別の係わりを持つユーザー向けや、価格が安定している特殊グレードに契約の対象を絞り込んでいる。それに伴い、9月と10月の日本全体のEVAの輸出数量は前年同月を30〜40%下回っている。年内いっぱいは各社とも現在の数量にとどめる考えだ。