2008年10月22日
SPDC、PEの輸出価格を再度大幅に引き下げ
中国・東南アジア向けの提示価格1,100ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 サウディ石油化学(SPDC)はこのほど、中国並びに東南アジア各国の大手フィルムメーカーとディストリビュータ各社に対して日・サ合弁企業「シャルク」の直鎖状低密度ポリエチレン(商品名QAMAR)の11月輸出価格をCFRトン当たり1,100〜1,110ドルとしたい考えを伝えた。ナチュラル品種を同1,100ドル、高透明品種を同1,110ドルとしたい意向。中国向けも東南アジア向けも同じ価格とする。

 同社による10月の納入価格は同1,480〜1,490ドルだった。9月の価格を250ドル下回る低レベルでの契約となったが、11月分はそれをさらに380ドル下回ることになる。1ヵ月でこれだけの幅の値下げは初めて。今年の最高値の7〜8月の価格に対しては720ドル安となる。関係筋の多くは中国や東南アジア各国の需要家がこれをすんなり受け入れるか大いに疑問と見ている。

 同社が11月分についても大幅な引き下げを実施することにしたのは、アジア地域全域の需要家からの引き合いが減少の一途をたどっているためスポットものの相場が1週間ごとに同100ドル前後下がって先週末の時点で同1,100ドルまで下降したことによる。

 最大の消費国である中国の需要家は、ショッピングバッグの輸出の減少と内需の不振、さらには原油ならびにナフサの国際相場の急落等を睨んで同樹脂の買い控えを強化している。このため、原油とナフサ価格が反騰しない限り発注量が回復することにはならないと見られている。