2008年10月23日
昭和電工、環境対応溶剤「酢酸ノルマルプロピル」を事業化
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は23日、特殊グラビア印刷用インキ溶剤として需要が伸びている「酢酸ノルマルプロピル」(NPAC)の事業化を決めたと発表した。
 
 大分コンビナート内に一部既存の酢酸エチル設備を活用して、2009年末完成をめどに新プラントを建設する。当面年産1万トン規模でスタートする。所要資金は約5億円。

 特殊グラビア印刷は、濃淡などの色表現性に優れているため、菓子や冷凍食品などの外装フィルムを中心に使用されているが、NPACはトルエンやMEK(メチル・エチル・ケトン)など、他の溶剤に比べて安全性が高く、このため需要が急増している。
 
 NPACはこのほか、接着剤や光学フィルム分野、抽出溶剤としての需要も期待され、2015年には国内需要は現在の約3倍の3万トンに達すると見込まれている。
 
 今回生産するNPACは、大分コンビナートで特殊樹脂等の原料として生産しているアリルアルコールの中間体を原料としている。このため必要となる生産工程は中間体以降であり、既存設備の活用が可能となる。比較的小規模な設備投資で対応できることが強みとなる。

 同社は、インキや塗料などの溶剤として使用されている酢酸エチルの世界トップクラスのメーカーだが、酢酸エチルは汎用タイプのため、NPACと市場で競合することはないという。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1224727586.doc