2008年10月24日
カネカ、塩素酸大幅低減の「低食塩次亜塩素酸ナトリウム」開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:カネカ

 カネカは24日、水道水の消毒・殺菌に不可欠な低食塩次亜塩素酸ナトリウムの品質を大幅に向上した低食塩次亜塩素酸ナトリウム「商品名:ハイパークロル」の開発に成功したと発表した。
 
 すでに大阪、兵庫を中心に一部の水道局で使用されており、これらの実績を踏まえ本格販売を展開する。3年後、年間売上げ5億円を見込む。

 水道水質基準は、2004年、新たな規制値(臭素酸が0.005ミリグラム/1以下、塩素酸0.6ミリグラム/1以下)が設けられたが、さらに今年は塩素酸0.5ミリグラム/l以下、2011年には0.4ミリグラム/l以下へと規制値が強化される予定。
 
 このため市場では、同基準に適合できる低食塩次亜塩素酸ナトリウムへの要求が高まっている。
 
 低食塩次亜塩素酸ナトリウムは、食塩の電気分解によって生成される苛性ソーダと塩素ガスを反応させて製造するが、当社は独自の技術により、臭素を含む原料塩素ガスを液化塩素で洗浄することにより、臭素を液化塩素中に吸収させ、臭素を含まない塩素ガスを製造する画期的な技術を確立した。

 さらに塩素酸については、低食塩次亜塩素酸ナトリウムが自然に分解する過程で生成し温度依存性が高いため、製造段階より塩素酸生成が少ない条件を確立し、低食塩次亜塩素酸ナトリウムについても、時間経過とともに塩素酸が増加するため、製品保管から納入までの温度管理方法を工夫することにより、塩素酸含有量の少ない低食塩次亜塩素酸ナトリウムをユーザーに供給することに成功した。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/search.php?RCODE=7621