2008年10月29日
EVAの出荷も前年同月割れが続く
輸出が3ヵ月連続で前年を大幅に下回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 今年上期まで安定成長を続けてきたEVA(エチレン酢ビコポリマー)の出荷が7月以降、一転して大幅な前年割れになっている。

 直近の9月の総出荷量は17,028トンで前年同月を11.4%下回り、3ヵ月連続の前年同月割れとなった。これに伴う7〜9月期の総出荷量は52,214トンで、前年同期を8.0%下回っている。この結果、今年1月から9月間での累計は前年同期比1.1%減の169,611トンとなった。このままいくと、汎用5樹脂同様に年間総出荷量も前年を割り込むことになる。
 
 EVAの出荷が下期に入って前年割れに転じたのは、中国向けを中心とした輸出が大幅な前年同月割れとなってきたため。7月は20.9%減、8月は33.8%減、そして9月は46.2%もの前年割れとなっている。7〜9月合計は12,675トンで、前年同期を33.2%下回っている。1〜9月の累計は、前年同期比14.0%減の53,274トンとなっている。
 
 国内向けは、8月こそ3.1%減となったものの、7月が10.2%増、9月が5.8%増と好調であったため7〜9月トータルは前年同期比4.6%増の39,539トンとなった。これには、太陽電池パネルの封止シート向けの需要が引き続き活発であったことが大きく寄与している。1〜9月の累計は116,337トンで、これも前年同期を6.3%上回っている。
 
 問題は、総出荷量の3分の1を占める輸出がこの3ヵ月にわたって異常とも言える大幅減を続けている点だ。06年が9.5%、07年が7.4%それぞれ前年を上回ってきたのが信じられないほどの落ち込みで、しかも価格が急落している点も軽視できないところだ。

 EVAメーカーの中には、国内需要に対応するのがせいっぱいで採算が良くない輸出は抑えざるを得なくなっていると述べるところもある。需給の中身は企業によって大きく異なってきているというのが実情のようだ。