2008年10月30日
化学品の9月の輸出、全体の9割弱が前年を下回る
輸出の縮小が一段と顕著に、累計も多くが前年割れ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 主要化学製品の9月の輸出通関数量は前年同月の実績を下回る品目がさらに拡大、輸出の縮小傾向が一段と顕著になってきた。
 
 主要25品目の9月の輸出で前年同月の実績を上回ったのはBZ(ベンゼン=12.4%増)、PH(フェノール=3.3%増)、PP-C(PPコポリマー=37.3%増)の3品目だけ。全体の88%に相当する22品目が前年同月を割り込んだ。しかも、全体に縮小率が極めて高い。前年比70%台を割り込んでいる製品が11品目を数え、うち4品目は50%以下に縮小している。EGにいたっては8月に続いて2%台まで落ち込んでいる。

 これで主要化学品の輸出は、昨年12月以降10ヵ月連続して過半の製品が前年同月の実績を下回る事態となった。今年1月から9月までの累計も、合計25品目のうち全体の76%に相当する19品目が前年同期の実績を下回っている。
 
 こうした輸出の大幅な後退は、最大消費国である中国の需要家の多くが一次加工製品や二次加工製品の対米ならびに対欧向け輸出の大幅な減少や国内需要の伸び悩み、さらには原油並びにナフサ価格の先安観の定着等によって海外からの原料調達を極力絞り込むようにし始めたことによるものと見られている。また、アジア全域の需要家の提示価格が下降の一途をたどってきたことも輸出減に拍車をかける大きな要因になったと見てよさそう。
 大手商社では、10月の輸出はさらに縮小したと判断している。一方の国内需要も不振が続いている。石化各社はもう一段の減産強化を迫られている。
 
 主要化学品の9月の輸出通関数量と1〜9月の累計は別表の通り。

【関連ファイル】
主要化学品の08年9月の輸出通関数量と累計
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1225345396.xls