2008年10月30日 |
信越化学、直江津・特殊品セルロース生産能力を3割増 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:信越化学工業 |
信越化学工業は30日、直江津工場(新潟県上越市)の特殊品セルロース製造設備増強を決めたと発表した。医薬品添加剤向け需要が好調なため投資金額は数十億円をかけて生産能力を約3割増強する。2009年12月末の完成を目指す。 同社は、2007年3月の直江津工場のセルロース設備爆発事故の後、工場の復旧とドイツのSEタイローズ社の製造設備増強を並行して進め、製造拠点の複数化を図ってきた。直江津工場のセルロース製造設備はこの10月でほぼ復旧工事を完了し、生産能力は事故前の約9割にあたる年産1万9000トンとなった。 今回の設備増強の対象である医薬品添加剤用途のセルロースは、医薬品の崩壊剤(注:1)や結合剤(注:2)として使われる日本薬局方LーHPC(低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)製品で、近年堅調に需要が伸びている。引き続き市場の拡大が見込まれることから、今後の安定供給の継続のため今回増強を決定した。 セルロース誘導体はパルプを主原料とする水溶性高分子で、建材用、医薬用を主要用途に、食品、トイレタリー、土木など幅広い用途分野をもつ。 信越化学は現在、医薬用途、建材用途で世界トップクラスのシェアを有しており、今回の増強で、日独2極体制の強みを生かし、医薬分野での地位をより確かなものにする。 ■ 用語解説 (注:1)崩壊剤 : 錠剤などの固形薬剤が胃の中で速やかに溶けるよう、薬を崩壊させる機能を持った添加剤。 (注:2)結合剤 : 薬の薬効成分などを錠剤や顆粒剤などに成形できるようにする添加剤。バインダーとも呼ばれる。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1225353271.doc |