2001年05月16日
三菱化学と三菱レイヨン、AN新会社は分社型共同新設分割で設立へ
社長は三菱化学の児玉亨氏、副社長は三菱レイヨンの斎藤晃司氏
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ダイヤニトリックス、三菱化学、三菱レイヨン

 三菱化学は16日、アクリロニトリル(AN)、アクリルアミド(AAM)、アクリルアミド系高分子凝集剤(ポリアクリルアミド)および関連事業の分社化について、同日開催の三菱化学取締役会および三菱レイヨン取締役会において、分割計画書を承認した、と発表した。分割期日および登記は7月2日を予定している。
 新会社の役員に就任するのは、取締役社長が三菱化学の児玉亨氏、取締役副社長には三菱レイヨンの斎藤晃司氏が就任する。
 分割方式は、三菱化学、三菱レイヨン、ダイヤフロックを分割会社とし、新たに設立するダイヤニトリックス株式会社を承継会社とする分社型共同新設分割。当方式を採用した理由として、三菱化学、三菱レイヨンおよびダイヤフロックの3社は、AN、AAM、ポリアクリルアミドおよびその関連事業において、研究開発力および技街サービスカの強化、製造・物流コストの削減などを通じ、より効率的な体制構築のため合弁会社発足に合意、事業統合効果の極大化を図るため、分社型共同新設分割を採用したとしている。
 株式の割当は、三菱化学、三菱レイヨンおよびダイヤフロックは、それぞれの承継事業価値を評価した結果、1:0.9:0.1となった。その結果、ダイヤニトリックスは、設立に際して発行する額面普通株式(1株の額面金額5万円)4万株を、三菱化学、三菱レイヨンおよびダイヤフロックに対して、2万株、1万8,000株、2,000株割当交付する。分割交付金の支払いはない。
 承継会社が承継する権利義務は、3社のダイヤニトリックスが承継事業を遂行する上で必要と判断される承継事業に関わる資産、負債、知的財産権、各種契約の契約上の地位および権利義務などについて承継する。
 ANからAAM、ポリアクリルアミドに至る事業チェーンを取り巻く環境は、市場の国際化進展による競争の激化および一層のコストダウン、合理化要請の高まりの中、抜本的な事業再構築が急務となっていた。
 こうした中で、三菱化学はAN原料(プロピレン、アンモニア)からポリアクリルアミドまでの一環した生産体制とそれを支える総合ケミカル技街による強固なAN関連事業体制を特長とする。三菱レイヨンは、アクリル樹脂、アクリル繊維に代表されるダウンストリームに支えられたANチェーンと世界初のバイオ触媒法によるAAM製造技街を持つことに加え、ダイヤフロック株式会社(三菱レイヨン100%出資)にてポリアクリルアミドの製造、販売を行い、モノマーからポリマーに至る一環事業を展開してきた。本会社分割は、これら両社の特長を有機的連携、研究開発から生産、販売に至る広範囲なシナジー効果を実現させることを目的としている。

<ダイヤニトリックス概要>
設立:2001年7月2日(予定)
本社:東京都中央区京橋1-12-5
資本金:20億円
出資比率:三菱化学50%、三菱レイヨン45%、ダイヤフロック5%
従業員:約160人
役員(敬称略):取締役社長 児玉亨、取締役副社長 斎藤晃司、取締役 廣郡亮一、竹川眞人、占部博、矢嶋外志男、船田昌興(非常勤)、鎌原正直(非常勤)、監査役 久保寺肇、道明昌哉(非常勤)、松下光一(非常勤)