2008年11月07日 |
L-LDPEとPP-Cの輸入が依然活発 |
9月も累計も前年の実績と輸出を上回る |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)とPP-C(ポリプロピレン・コポリマー)の輸入が引き続き活発だ。 9月の輸入通関数量はこれまで同様に前年同月を上回り、それぞれの同月の輸出通関数量を上回っている。また1月から9月までの累計も大幅な前年同期超えを記録するとともに、輸出量も大きく凌いでいる。 大手商社の多くは10月以降もこれら両樹脂の輸入がさらに増えると予想しており、このままいくと国産企業の生産・販売活動は一段と強く圧迫されることになりそうだ。 両樹脂の9月の輸入通関数量は、L-LDPEが前年同月比6.2%増の16,526トン、PP-Cが同92.2%増の12,917トンとなった。同月の輸出通関数量はL-LDPEを含むLDPE全体が同18.5%減の11,326トン、PP-Cが同37.3%増の11,358トンであった。このため最近の石油化学製品の貿易の中では異例と言える入超となっている。 この結果、1〜9月の累計は、L-LDPEが前年同期比45.4%増の193,583トン、PP-Cが同2.23倍の121,026トンとなった。対する輸出量は、LDPE全体が同12.2%減の143,502トン、PP-Cが同12.4%増の97,021トンなので、この場合も完全な入超となっている。 両樹脂の輸入が活発化してきたのは今年に入ってから。当初は三菱化学・鹿島のエチレンプラント事故による供給力不足をカバーするための緊急輸入が大半であった。しかし、鹿島の生産活動が復活して以降も引き続き増え続けている。この背景について多くの商社は、国産レジン価格の上昇に音を上げたフィルム企業と日用雑貨メーカーが安価な海外品の手当てに積極的に乗り出したことが大きいとしている。 また、最近無視できなくなってきた現象として、大口消費先の中国の樹脂加工企業の多くが海外品の極端な買い控えに踏み切ってきたため余剰玉に困るポリオレフィンメーカーがアジア地域で相次ぐようになってきた点を挙げる向きも少なくない。中国市場の縮小と価格の下落に頭を痛めているわが国のポリオレフィン各社に取って環境は一段と厳しいものになりつつある。 |