2008年11月07日
昭電子会社、液晶パネル向け電気絶縁性インクの新工場が竣工
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工
東京・八王子の新工場

 昭和電工は7日、100%子会社の日本ポリテック(中山 隆社長)が、東京・八王子の本社工場内に建設していた、液晶パネル向け電気絶縁性インクの新工場を完成し、今月下旬から本格稼動を開始すると発表した。投資額は数億円。今年4月に着工し年産能力を8万トンから16万トンに倍増した。

 電気絶縁性インクは、主にテレビ、パソコン、携帯電話などの液晶パネルに接続するチップ・オン・フィルム(COF)に使用される。COFは、液晶に電気信号を伝えて画像を形成させるための重要な部品で、電気絶縁性インクは、COFの表面に塗布して電子回路のショートによる動作不良を防ぐ絶縁膜となる。
 
 最近では、液晶パネルの高画素化(高画質化)や低コスト実現のため、COFに描かれる電子回路はさらに微細化しつつあり、これに伴い一層高い電気絶縁性を有するインクが要求されている。

 日本ポリテックの高電気絶縁性インクは、COFの回路微細化に必要な最高水準の電気絶縁性能を有しており、同インクの使用により、現状の30マイクロメートル(μm=1マイクロメートルは100万分の1メートル)ピッチの微細化電子回路で電気絶縁性の飛躍的な向上を実現する。
  
 今後の更なるCOF電子回路の微細化(25μmピッチ以下)にも十分対応が可能で、液晶パネルの高画質化、長寿命化に大きく貢献するとしている。
 
 なお、この高電気絶縁性インクには、昭和電工が新たに開発したウレタン系熱硬化性樹脂を使用している。

■チップ・オン・フィルム(COF)とは:
 ICチップが搭載された、折り曲げの容易な電子回路部品。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1226024100.doc