2008年11月11日
韓・台ともエチレンの減産を強化
多くのセンターが70%操業に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:なし

 韓国と台湾の石油化学企業の間で減産強化の動きが一段と鮮明になってきた。エチレンを例にとると、操業率を70%程度まで引き下げているところが多い。中には複数のエチレンプラントの一部について全面運休の措置を取るところも現れている。また、定修による運休期間を延長して稼動再開を繰り延べるところも見られる。
 
 東南アジア諸国の石化企業の間にも同様の動きが広がりつつあり、当分の間、アジア地域全体の石油化学製品の生産量は大幅に縮小することが確実となってきた。

 現在、日本以外のアジアの国でエチレンの大幅な生産調整に入っているのは、韓国・サムソントタル、同・ロッテデサン、同・SK、同・YNCC、同・LG石化、同・湖南石化、台湾・FPC、同・CPCなど。これらの企業の多くは稼働率を70%ていどまで落とすなり、定修プラントの運休期間を延長するなりしてこれまでにない思い切った規模の生産調整に踏み切っている。東南アジアの石化企業も相次いで減産率を高めており、11月に入ってからは8割前後に稼働率を落としているところが多い。
 日本でも多くのセンターが減産を強化しているが、アジアの他の国に比べればまだ平均操業率は高い方といえる。

 韓国と台湾の減産率が特に大きくなっているのは、もともと両国とも全ての石油化学製品の中国向け輸出比率が極めて高いことによるもの。この夏場以降の中国からの石油化学製品全体に対する引き合いの急激な縮小が各社を直撃している。

 中国の石油化学製品の需要の回復は、早くても来年1月25日から始まる旧正月休暇明けであり、場合によっては向こう1年は低迷状態が続くとの見方もある。逆に言えば、早期回復は期待できないとの見方が多く、生産調整は長期にわたることになりそうだ。