2008年11月12日
三井化学、PTAの対中輸出価格600ドルを目指す
11月分で交渉開始、三金化工の運休で需給は改善
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はこのほど、中国の大手ポリエステル企業各社ならびにトレーダー筋に対してPTA(高純度テレフタール酸)の11月の輸出価格をトン当たりCFR600ドルとする考えを示して了承を求めた。最近のスポット品のCFR価格が同580〜590ドルで推移している点を考慮して同600ドルを提示し、受け入れを要請したもの。

 同社は、過去数ヶ月の輸出分もほぼスポット相場と同じレベルの価格に設定してきた。スポットものの7月以降の月間平均価格は、7月が1,170ドル、8月が1,050ドル、9月が860ドル、10月が720ドルと下降の一途をたどってきた。したがって、同社の輸出価格も同じ幅で下降を続けてきたことになる。
 
 11月はさらに値下げとなるわけだが、この点についてわが国の大手商社では、原料パラキシレンの国際相場が引き続き大幅に下がってきていることや中国の需要が依然として低水準にとどまっていること等からいってやむを得ないと受け止めている。

 一方、中国国内のPTAの需給バランスは、同国最大手の三金(金を三つ重ねた漢字)化工が経営の行き詰まりをきたして3系列トータル年産180万トン能力のPTA(一部はQTA)プラントの全面的な操業中止に踏み切ったことが大きく作用して徐々に改善されつつある模様。それもあって同国向けのスポット品の相場は下げ止まりの局面にきたとの見方が一般的となっている。