2008年11月13日
アジアのポリオレフィン価格が一段安
中国向けは東南アジア向けをさらに下回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 アジア諸国におけるポリオレフィンの輸入CFR価格が11月に入って各地で一段安となってきた。特に中国向けの値下がりの大きさが目立つ。
 
 中国向けの直近の契約価格は、HP-LDPEがトン当たり(以下同)750〜850ドル、L-LDPEが600〜650ドル、HDPEが650〜700ドル、PPホモポリマーが550〜600ドルとなっている。10月下旬の価格に比べると、HP-LDPEは450〜550ドル、L-LDPEは450〜500ドル、HDPEは400〜450ドル、PPは300〜350ドル安い。

 一方の東南アジア地域の直近の平均CFR価格は、HP-LDPEが850〜900ドル、L-LDPEが750〜800ドル、HDPEが700〜800ドル、PPが650ドル前後となっている。中国向け同様に続落となっているが、わが国の商社各社によると値下がり幅は中国向けほど大きくないという。
 中国向けが特に安くなっているのは、中小規模の加工企業の中で当面の操業を維持していくための資金を確保していけなって大幅な操短もしくは事業の打ち切りを余儀なくされるところが増えているため同国全体の引き合い量がこれまで以上に縮小しているためと見られる。先安観の広がりによる買い控えの影響度合いは以前ほど大きくない模様。

 東南アジア諸国の引き合いも縮小傾向を強めており、したがってアジア全域におけるポリオレフィンのデリバリー数量はまだしばらくの間、前年を大きく下回る状態で推移することになるというのがわが国の大手商社に共通した見方となっている。