2008年11月13日 |
世界各地でPHの減産強化がはじまる |
中国の引き合いの激減に対処 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外) 【関連企業・団体】:なし |
日本、台湾、台湾、欧州の各地でフェノール(PH)の減産強化に踏み切るところが相次ぎ始めた。最大の消費国である中国からの引き合いが激減してきたためで、稼動率を調整するにとどまらず保有プラントの一部を完全に運休するところも現れている。 PH企業の中で減産幅の拡大が特に目立つのは、イネオス、三井化学、台湾・長春石化、韓国・クモホ、同・LGといった大手。イネオスはこれまで70%程度に稼動率を抑えてきたベルギーとドイツの工場の操業を停止、当面の必要分は北米工場の製品で全て賄う方式に切り替えている模様。同社の欧州の設備能力は年産133万トンと巨大なだけに、今回の措置で欧州市場にとどまらず中国を中心としたアジアの需給バランスもかなり引き締まると見られている。 三井化学は、大阪工場の20万トン設備の運休に踏み切っている。併せて千葉フェノールの23万トンプラントの稼働率を90%に落とし、さらに現在定修のた運休中の市原工場の20万トン装置の稼動再開時期も繰り延べを検討している。シンガポールの30万トン設備も稼働率を80%に抑えている。長春(30万トン)、クモホ(同)、LG(同24万トン)といった極東各社はいずれも操業率を60%程度に引き下げている様子。三菱化学(25万トン)も、70%というかつてない低率操業を続けている。 いずれも中国の需要が回復するまで大幅減産体制を維持していく構えだ。大手商社の多くは、中国の需要が上向くのは早くて旧正月休みが明ける来年2月上旬と予想している。 |