2008年11月14日
KPCとのナフサプレミアム交渉が難航
日本側は大方がKPCの要求を強く拒否
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:なし

 わが国のエチレンセンターや石油精製企業並びに大手商社がクウェート石油公社(KPC)との間で進めている石油化学用ナフサ(フルレンジナフサ)の12月起こし分(今年12月以降1年間の引き取り分)のプレミアム価格交渉が難航している。

 ごく一部のエチレンセンター会社は、プラッツオイルグラムのアラビアンガルフ港の積み出し価格の中値(MOP/A)にトン当たり2ドル上乗せすることを求めるKPCのオファーを受け入れることにしたようだが、他の多くのセンターや石油精製企業ならびに大手商社は強く拒否し続けている。

 今回のKPCの提示額自体は、昨年12月起こし分の14ドルや今年4月起こし分の19.75ドル、さらには8月起こし分の17ドル等に比べるとかつてない小幅ということになる。しかしわが国の石油化学業界は、中国を中心としたアジア市場の需要の大幅な縮小と国内景気の後退によって軒並み業績を大きく圧迫されているためセンター会社だけでなく石油精製企業も商社もそのほとんどがナフサ価格への割増金の加算を求めるKPCの要求は到底受け入れられないとしている。この後に続くカタール、ドバイ、サウジアラビアといった産油国との間の来年1月起こし分のプレミアム交渉に影響を及ぼすと言えるだけに安易な妥協はできないと発言する向きが多い。

 多くの企業は、逆にMOP/Aマイナスアルファーの回答をKPCから引き出したい考えだ。KPCがあくまでもプレミアムの加算にこだわる場合は今回の契約を見送ると言い切るところが多数を占めている。