2008年11月17日 |
加工製品とレジンを合わせた輸入が急増 |
POの1〜9月の内需、国産品との合計は前年並み |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
ポリオレフィンの加工製品の輸入が引き続き活発で、レジンと合わせた総輸入数量は前年を大きく上回る状態が続いている。ポリオレフィンの国内出荷は今年に入ってほとんどの月が前年を下回っているが、これには海外からの加工製品とレジンの輸入の増加が大きく作用していると言えそうだ。 1〜9月の国産ポリオレフィンの総出荷量はいずれも前年同期を下回っている。しかし、加工製品とレジンの輸入が逆に前年同期を大幅に上回っているので国内の総需要量はいまのところ前年並みを維持していると言うことができる。これからも加工製品とレジンの汎用品の輸入は一層拡大する公算が濃厚であり、それだけに国内のポリオレフィン各社は中長期的展望にたっての抜本的な競争力の強化策を早急に煮詰めていく必要に迫られよう。 財務省の貿易統計によると、ポリエチレン加工製品の今年1〜9月の総輸入数量は、PE袋とフィルム・シート類の合計だけで前年同期の実績を4.6%上回っている。また、レジンの総輸入量はLDPEとHDPEの合計で同41.3%増となっている。合計は同14.2%増となる。 国産レジンの同期の国内向け総出荷量はLDPEとHDPEの合計で、前年同期を2.7%下回っている。双方の合計は同1.3%増になる。内需自体は前年超えに転じた(前年合計は0.03%のマイナス)ものの、それは輸入の増加によるものである点が鮮明となっている。 ポリプロピレンについても同じことが言える。加工製品の同期の総輸入数量は、PPフィルム・シート類とフラットヤーン製品だけで前年同期を6.8%上回っている。レジンの輸入量は同94.8%増で、合計は同38.5%増となっている。 国産レジンの国内向け出荷数量は2.8%下回って、総内需量は同0.9%増となる。 複数の大手商社によると、加工製品とレジンの輸入は10月、11月、12月と一層加速する見通しにある。このため商社の多くは、国産レジンに対する国内の引き合いはさらに縮小が必至と判断している。 ポリオレフィンの製品ならびにレジンの輸入と国産レジンの国内向け出荷の今年1〜9月の累計は別表の通り。かっこ内は前年同期比。 《PE》 ▽加工製品の輸入 =456,013トン(104.6%) うちPE袋 =354,355トン(103.2%) フィルム・シート類=101,658トン (109.6%) ▽レジンの輸入 =218,165トン (141.3%) ▽輸入品合計 =674,178トン (114.2%) ▽国産品の国内向け出荷=1,837,987トン(97.3%) ▽内需合計 =2,512,165トン(101.3%) 《PP》 ▽加工製品の輸入 =141,595トン(106.8%) うちヤーン製品=103,358トン(104.8%) フィルム・シート類=38,237トン(112.6%) ▽レジンの輸入 =145,285トン(194.8%) ▽輸入品合計 =286,880トン(138.5%) ▽国産品の国内向け出荷=2,036,427トン(97.2%) ▽内需合計 =2,323,307トン(100.9%)。 |