2008年11月17日
ナフサの先週のC&F/日本価格が反騰
7週振りに前の週を12ドル強上回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 エチレンセンター筋の調べによると、わが国の大手商社やエチレンセンターならびに石油精製企業等が先週中に国際マーケットで契約したナフサのオープンスペック品の週平均価格はC&F/日本ベースでトン325ドル半ばとなった。
 
 前の週の平均を12ドル半ば(4%)上回っている。7週間振りの反騰である。しかし、北西欧のCIF価格は311ドル半ばで7週間連続の下降となっている。前の週の平均を7%強下回っている。また、原油の先週のスポット価格も軒並み続落している。ナフサの国際スポット相場に強い影響を及ぼす北海ブレント物も前の週の平均を11.5%下回っている。

 それにもかかわらずC&F/日本向けだけが反騰したのは、日本の石化企業の中でクウェート石油公社(KPC)とのナフサの“12月起こし分”(合計で年間約200万トン)の契約を拒否するところが出てきたことが大きく影響していると見られる。これは、日本企業の中でKPCによるトン2ドルのプレミアム要求を不当と判断して契約を打ち切るところが出てきたことから、国際トレーダの間に、今後はスポット品に対する日本からの引き合いが再び活発になるとの見方が増えてきたためではないかと想定されている。
 
 しかし、日本のエチレンセンターの多くは内外需の減少に機敏に対応して減産を強化する方向にあるのでスポット品に対する需要が増える公算は低いと見られる。