2008年11月18日
PTAの対中輸出価格、トン580ドルに決定
三菱化学、三井化学が前後して中国側と合意
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学

 三菱化学、三井化学の両社はこのほど前後して中国の大手ポリエステル企業との間でPTA(高純度テレフタル酸)の11月の輸出価格交渉をまとめた。
 ともに、中国の多くの需要家との間でトン当たりのCFR価格を580ドルとすることで合意した模様。10月の納入価格は同720〜750ドルの範囲内であったと見られているので、11月分は140〜170ドルの値下がりとなる。最近の最高値の7月の平均CFR価格に比べるとほぼ半値ということになる。

 11月分が引き続き大幅な引き下げとなったのは、中国の需要家各社が原料PX(パラキシレン)の値下がりを理由に同600ドルを大きく下回るレベルへの引き下げを強く求めてきたことによる。両社とも中国側の要求をそのまま受け入れると収支バランスが一層悪化することになるので、中国側に譲歩を求めて妥協点を見出したといわれる。

 中国のPTAの需要は、ポリエステル繊維の対米輸出が極端に縮小しているため依然として低水準にとどまっている。ただし、同国内の大手PTAメーカーが採算割れのため事業を打ち切ったこともあって直近の中国国内の需給バランスは最悪の状態から一歩抜け出しつつあると見られている。