2008年11月18日
SMの中国の輸入価格が590ドルに下降
需要低迷の長期化に原料の値下がりが重なる
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 中国向けのSM(スチレンモノマー)の価格が引き続き下降線をたどっている。直近のCFR価格はスポットものもコントラクトものもトン当たり590ドル弱で、10月の平均価格を300ドル強下回っている。最近のピークの6月末の平均価格に比べると1,000ドル強の値下がりとなる。

 SMの中国向け価格が下がり続けているのは、PS、ABS、EPSなど同国内のSM市場の全ての需要がかつてないほど大幅に縮小しているため。また、SMの原料のBZ(ベンゼン)とエチレンの価格が世界全体で原油の価格以上に下がってきていることも加速要因の一つとなっている。

 わが国のSMメーカーの中で現在の中国向け輸出価格で採算を確保できるところは皆無と見られる。このため各社とも当面の契約先を特定のユーザーに極力絞り込んでいくことにしており、それに伴い今後のSM全体の生産量はさらに縮小していくことになりそうだ。