2008年11月21日
EVAの国内向け出荷は10月も前年超え
太陽電池パネルシール材向けが順調な伸び
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の10月の国内向け出荷は軒並み前年同月を割り込んだが、機能性を重要なセールスポイントとするEVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)だけは引き続き10月も順調な伸びを遂げた。
 
 同樹脂の10月の国内向けの総出荷数量は14,875トンで、前年同月を4.1%上回った。9月に同8.1%増となったのに続いての前年超えである。今年に入ってからは、8月に同3.1%のマイナス成長となったのを除いて9度目の前年超えとなった。
 
 同樹脂メーカーによると、好調が持続している最大の要因は太陽電池パネルの封止シール材向けの需要が順調な伸びを遂げている点にあるという。同樹脂の主要品種のなかで同シール材に向けられるのはフィルム・ラミ・シート用と一般成型品用といわれる。10月における両品種の出荷量を前年同月に比較すると7.9%増ということになる。完全な牽引車の役割を果たしていると言える。
 
 ただし、一方の輸出は前年同月を70.4%下回って2,452トンにとどまっている。他の樹脂以上の大幅な落ち込みとなっている。4ヵ月連続の前年同月割れである。中国をはじめとしたアジア市場からのオファー価格がわが国EVA各社の採算ラインを大きく割り込むレベルで推移していることによるもの。このため総出荷数量は前年を23.3%下回る17,327トンに縮小している。