2008年11月27日
トクヤマ、多結晶シリコンの第2製造拠点 マレーシアに建設
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:トクヤマ
マレーシア・サラワク州の地図

 トクヤマは多結晶シリコンの需要が好調なため、第2製造拠点の建設を計画しているが、27日、立地をマレーシア・サラワク州サマラジュ工業団地に絞り、基本設計を開始したと発表した。2012年をめどに総工費約500億円をかけ、年産3000トン規模の新工場を建設する。

 同社は、多結晶シリコンを戦略的成長分野と位置づけ、積極的に事業強化を図ってきた。現在、徳山製造所(山口県周南市)では09年春完成をめどに、現有年産5,200トン設備を3,000トン増強して、同8,200トンに引き上げる工事を進めている。
 
 しかし需要は、太陽電池向けなどに急拡大しており、リスク分散の面からも第2製造拠点の建設が急がれている。

 新立地のサマラジュ工業団地は、サラワク州ビンツル市から北東50キロの海岸沿いにあり、敷地面積は約200ヘクタールと広く、将来に拡張の余地を残している。
 
 多結晶シリコンの製造に必要な大量の電力、工業用水、労働力が豊富なうえ、税制面で優遇策が受けられるなどから最適と判断した。基本設計は、主に千代田化工建設が担当する。

【計画の概要】
◇計画場所 : マレーシア、サラワク州ビンツル市北東のサマラジュ工業団地
◇敷地面積 : 約200ヘクタール(約200万平方メートル)
◇事業内容 : 半導体・太陽電池向け多結晶シリコンの製造・販売
◇事業計画 : 2012年に年産3,000 トン規模の製造設備稼動を計画。以降、半導体・太陽電池の需要動向をみて増設を検討。
◇雇用人員 : 約300人(現地従業員)


■ 多結晶シリコン :
 珪素(Si)は約100 種類ある元素の一つで、通常、酸化物(珪石)として存在している。地表付近での含有量は酸素の次に多く無尽蔵といえる。
多結晶シリコンはこの珪石から作られる。作り方は、まず珪石を炭素で還元して純度約99%の金属珪素を作る。金属珪素を原料にしてトリクロロシランを製造し、蒸溜精製を行って純度を高め、ベルジャーという特殊な反応器中で1,000℃付近で水素による還元を行い、棒状の高純度多結晶シリコン99.999…%(イレブンナイン)を析出させる。これが多結晶シリコンで、半導体分野の基盤材料として、単結晶シリコンウエハー、単結晶・多結晶型太陽電池に用いられる。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1227768471.pdf