2008年12月02日
容リ協によるPETボトルの引取りが依然低水準に
10月も前年比2.1%増にとどまる、累計も6.2%増
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 国の指定法人である日本包装リサイクル協会による使用済みPETボトルの月間引取り数量が引き続き低水準にとどまっている。
同協会が10月に全国の市町村から引き取った分別収集PETボトルの総数量は14,018トンで、前年同月比2.1%増にとどまった。7ヵ月連続の前年同月超えではあるが、8月の16,432トンをピークに2ヵ月連続の縮小で、前月に対しては12.2%、前々月に対しては14.7%それぞれ減少している。

 4月から10月までの累計は97,517トンで、前年同期の実績を6.2%上回っている。しかし同協会の今年度の年間総引き取り目標量は前年度比12.8%増の158,993トンとなっている。実際の引き取り量はその目標を大幅に下回るレベルということになる。

 これには、市町村の多くが家庭から容器包装リサイクル法に沿って分別収集した使用済みPETボトルの大半を同協会に引き渡すことなく貿易業者に売却していることが大きく影響している。
 この結果、PETボトルのリサイクル事業者の中には必要な使用済みボトルを確保できなくて事業継続の危機に直面するところも現れている。ただし11月以降は、同ボトルの最大の輸入国である中国のリサイクル事業者がリサイクル品の対米・対欧輸出の縮小に対応して輸入量を大幅に減らしている。このためこれからは、売却先を失って分別収集品の処理に頭を痛める市町村が相次ぐことになる可能性もある。

 一方、同協会の委託による同ボトルの10月の再商品化(リサイクル)数量は11,408トンで、前年同月を11.2%上回った。10ヵ月連続の前年同月超えである。ただし、総引き取り量に対する比率は81.4%にとどまっている。10月の実績の中では、05年5月に3,587トンを記録したこともあるボトル化がわずか69トンまで縮小している点が特に注目される。最も数量が多いのは繊維化で前年同月比16.9%増の6,937トン、次いでシート化が同3.3%増の4,080トンとなり、全体の96.5%をこの両部門で占めている。
 4月からの累積は76,373トンで、前年同期を11.0%上回っている。