2008年12月03日 |
新日鐵化学、SMの1系列を運休 |
SM業界の生産調整がさらに加速 |
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:新日鐵化学、住友化学、電気化学工業、三菱化学 |
新日鐵化学はこのほど、大分工場内のスチレンモノマー(SM)製造プラント2基のうちの1基の操業を休止した。同モノマーの需要が国内外ともに一段と冷え込んできたことに対応して2系列合計年産430,000トン能力のプラントのうちの同240,000トン設備を運休したもの。当面はもう1基の同190,000トン設備で需要に対応していく。 今回のように保有設備の過半を運休するのは、SM業界はもとより石油化学誘導品業界全体でも極めて異例のケース。同社はこれまでも内外の需要の減少に対処して稼働率を80%ていどに抑えてきた。しかし11月に入って内外の需要の縮小傾向が一段と強まり、しかも中国を中心としたアジア市況が再下降し始めたことからこれまでにない思い切った減産措置を取ることにしたもの。当面の生産量は総設備能力の44%ていどとなる計算。関係筋の間では、環境の変化に機敏に適応した措置と評価されている。 SMについては、同社のほか千葉スチレンモノマーグループも大幅な減産措置を講じていくことにしている。電気化学と住友化学との合弁企業である千葉スチレンモノマーは、10月中旬から定修のため運休していた年産270,000トン能力の設備を当初は11月21日から再稼動する予定であったが、内外の需要が運休前以上に縮小して早期回復も期待薄となってきたため立ち上げを延期している。稼動再開の時期については明らかにしていないが、どうやら年内一杯は運休を続けて当面の需要には電気化学の同240,000トンプラントと日本オキシランの同420,000トン設備で対応していくことになりそう。もっとも、電気化学と日本オキシランも需要見合いの生産調整を継続していく構えにある。 このほか、三菱化学が同400,000トン設備の稼動率を引き続き60%ていどに抑えていくことを表明するなど、SM業界全体が減産強化を鮮明に打ち出している。また、韓国や台湾、さらには中国でも大幅な減産に踏み切るところが相次いでおり、このままいけばアジア地域全体の需給バランスは均衡が維持されていくことになりそう。 |